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うちの職場のとあるおばあちゃんの話。


そのおばあちゃんは大変な毒舌クレーマーである。

職員の言うことをあまり聞いてくれないだけならまだしも、他のおばあちゃんたちにまで「はよ死に」とかまあそんな調子で色々と毒づくのだ。

当然、目まぐるしく働いている職員はイラッとくる。
ましてそのおばあちゃんは男性の介助に対する拒否が激しく、僕にとってはまさに天敵なのだ。
新人時代に初めて右手を振り上げそうになった苦い経験もある。
(後にその右手で自分の頬をビンタしておいたが。笑


さて、そのおばあちゃん、突然の血中酸素濃度の低下により救急車で運ばれた。夕食中の急な出来事だったそうな。


僕は当日非番で翌日訪れると、もうそこにはいなかった…。





一週間後、おばあちゃんが帰ってきた。


まるで別人だった。




虚ろな目。

気力のない顔つき。

言葉などろくに喋らず、たーまに「へぇ」と呟くのだ。

あんなに好きだったご飯も自分で食べられなくなっていた。

お願いすると仕方なさそうに畳んでくれていた洗濯物ももう畳めなくなっていた。



(正直、初めのうちは心労が減るな…と安堵した。






しかし!


しかしながら!!


自分の都合ばっかりかもしれんが!!!


もうなんかいたたまれんのだわ!!!


あんな虚ろな目つきしたばあちゃんは嫌なんやわ!!!


病院は何をしやったんな!!!


あの毒づくばあちゃんを返してくれ!!!





そう心の中で叫びながら数日経った。


夜勤明けふらふらでおばあちゃんの離床を介助する。
今日はいつもより顔つきがよい。

そしていつものように職員のそばでご飯を食べてもらう。
今日はいつもよりご自分から積極的にご飯を食べておられる。

しかし食事中にやはり箸(スプーン)が止まった。


あかんか…


すると、まるで仲間になりたそうなスライムのようにこっちを見つめ、ぼそぼそ話し掛けてくるではないか。


「(食事介助者に)そんなん食べさしやらんとほっといたらええのや。」


ばあちゃんが…


「ほっときー!」


衣類が汚れるからとかけてあったよだれかけを外して畳み始めるではないか…












おかえり、ばあちゃん。



ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。



ちくしょう、今朝は花粉症のせいで涙と鼻水が止まらんかった!!!
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